2024年6月4日火曜日

小規模校における指導方法・特色ある実践研究事業

小規模校実践部門では、小規模・複式校における複式授業を中心に支援活動を行っています。小規模校における指導方法・特色ある実践研究事業として2024年5月の活動を報告します。
 
2024年5月21日(火) 場所:有田川町立小川小学校 
教員名:大谷 真喜子  
 


【研究授業】 4・5年生複式学級 算数科
      4年生「1けたでわるわり算の筆算」
      5年生「少数のかけ算」
【協議会】
  ①授業者(担任)との協議
  ②全体での協議
参観者は、小川小学校が研究をすすめるために重点としている3点について付箋に意見を書き、一人一人発表して交流した。

【3つの視点】
    ①学習課題(問題)を吟味する。
    ② 学び方を選択・調整させる。
    ③ 主体的な学習に向かわせる教師の手立て


  • 4・5年生は導入では自分たちで進めていくことができていた。昨年度や今年度の担任が指導してきた賜物。
  • デジタル教科書を活用し、主体的に学習する環境を整えられていた。
  • 4年生はノートに自分の考えを書き、ホワイトボードに書き直して、一人一人が自分のやり方を説明できていた。少人数なのでホワイトボードに書き直す必要があるかどうかは検討したいが、人に説明することで、確かな力となっていくと感じた。
  • 授業者のポジショニングがよく、同時間接では児童への対応が適切であった。
  • 本時の5年生のねらいの「工夫して計算することができる」までは到達しなかったことについて。単元が「小数のかけ算」であるため計算をさせながら確認したが、計算に時間がかかった。このような場合は、電卓を使用して時間短縮を図ることもいいのでは。「計算のきまり」が成り立つことやその良さに着目させるようにし、工夫して計算することに時間をかけるとよかったのではないか。
  • 子供たちは、「わからない」ことを授業者や友達に伝えることができていた。また、授業者がすぐに教えるのではなく、教科書にヒントが載っていることを伝え、子供にもう一度考えさせて自力で解決させたことが良かった。

〔その他大谷より〕
(1)授業担当者は研究主任であり、今年度の研究の方向を共有するためにも今年度授業研究第1回目に授業を提案された。このことにより、以下の2点の共通理解を再度図ることができた。
  1. 研究主題設定の理由、小川小学校が考えている研修主題「わかる・できる・のびる授業」について。
  2. 5年生で扱った「計算のきまり」については、低学年から中学校で学習する系統を把握して指導することの重要性。

(2)研究主題「わかる できる のびる授業づくり ~自らの学びの調整力を高める~」について
小川小学校が主題に迫るために掲げていること大谷がまとめた資料を活用して確認。本時のどこかで授業者が具体化を図っていたか、どんな工夫をしていたかを解説し、助言をおこなった。(主に下記の5点)
  1. 小川小学校の考える学びの調整力とは
  2. 既習事項の活用について
  3. 見通す力について 
  4. 自分の考えを伝えたり友達の考えと比べたりすることについて
  5. 発問の工夫について