2024年10月28日月曜日

小規模校における指導方法・特色ある実践研究事業

小規模・複式校における複式授業を中心に支援活動を行っています。

下記は2024年6月~10月までの活動内容です。 

2024年10月8日(水) 場所:有田川町立小川小学校  
教員名:大谷 真喜子


学校指導訪問の日であり、11時25分~4クラスの公開授業を参観。
午後からは基礎学習の時間、2年生・3年生複式学級における提案授業(国語科2年生「お手紙〈光村図書〉」、3年生「ちいちゃんのかげおくり〈光村図書〉」)を参観し、研究協議を行った。
協議では3色の付箋に3観点に分けて意見・感想を書き、一人一人が発表、意見交換を行うことにより、研究主題に迫る話し合いが活発に行われた。

【公開授業について】 良かった点、助言等△

どのクラスも落ち着いて、柔らかい雰囲気の中で子供たちはしっかりと学び、成長を感じた。 
特別支援学級は1名のクラスだが、担任との学び合いにより思考力・判断力・表現力を育成する場面がたくさん用意されていた。担任との会話により思考を深める様子が大変微笑ましかった。 
4・5年生は単元を通した自由進度学習に挑戦している。子供たちは単元初めに確認した「何ができるようになるか」「何を学ぶか」「どのように学ぶか」を基に自分の進度で、時には友達と相談し、担任のチェックを受けて進めていた。 
6年生は単式学級であるが机の配置を工夫して、子供たちがその時々に学びやすい環境をつくっていた。振り返りには「自分の考えとは違うやり方を学べてよかった」という発言があった。




【提案授業について】  
2年生「お手紙」(光村図書) 
3年生「ちいちゃんのかげおくり」(光村図書)

2年生は、前時の板書を基に振り返りが出来てよかった。 
2年生も3年生も子供たちは自分たちで学習を進めていた。 
ワークシートに書くことで心情がとらえやすかった。 
2年生の子供は目標の通り、「自分だったらお手紙をすぐにがまくんに渡すけどな・・・」と自分と比べて読むことができていた。 
3年生は初めの本文全文読みは、すらすらとできていて素晴らしかった。しかし、例えば、「1の場面と4の場面の『かげおくり』の間にどんな出来事があったかをしっかりとらえて、その時のちいちゃんの気持ちを想像できるように読もうね」というように何のために音読するのかを初めに伝えておけば、もっと叙述を意識し、言葉にこだわった読みができ、目標達成につながったのではないだろうか。 
子供の発言は本文のどこからそう感じたかを語らせるようにし、友達との交流から深い学びを実現したい。 
△指導主事の先生からは、指導案検討など大変なことであると思うが、今後のためにも今回のように再現性のある指導案づくりをお願いしたいというお話があった。
 
2024年9月4日(水) 場所:有田川町立小川小学校  
教員名:大谷 真喜子


2年生・3年生複式授業を指導訪問に来られる指導主事と共に参観し、授業後、全教員と10日の提案授業について指導案検討を行った。

【参観授業】
  国語科、2年生「動物園のじゅうい」(光村図書)、3年生「ローマ字」(光村図書)

【教材】
 2年生「お手紙」(光村図書)
 3年生「ちいちゃんのかげおくり」(光村図書)

【教材研究と指導案検討】
意欲を持たせる課題設定、思考を深める場面・発問、一人学習・ペア学習、ワークシートの内容、直接指導に入る場面、間接指導で自分たちで進める場面、わたり・ずらしなど、指導案を基に検討した。


  

2024年8月21日(水) 場所:有田川町立小川小学校  
教員名:大谷 真喜子

10月8日(指導訪問)に行う提案授業について、教頭先生、研究主任の先生、担任の先生とで第1回目の指導案検討を行った。

【教材】2年生「お手紙」(光村図書)
    3年生「ちいちゃんのかげおくり」(光村図書)

【教材研究と指導案検討】
つける力、言語活動、わたり・ずらし、個別最適と協働的な学び、日々の授業でつける力、学習支援員との連携など、指導案を基に検討した。

2024年6月24日 場所:有田川町立小川小学校  
教員名:大谷 真喜子


2年生・3年生複式授業(国語科2年生「夏がいっぱい〈光村図書〉」、3年生「仕事のくふう、見つけたよ〈光村図書〉」)を参観し、校長先生、授業者と研究協議を行った。

 学習活動案 

 2年生の学習活動

  1. 「みんみん」(谷川俊太郎)を音読し、感じたことを話し合う。
  2.  教科書の挿絵(夏を感じる言葉の絵)を参考にして、夏を感じる言葉を出し合う。
  3.  話し合ったことをもとにカードに「夏だなあ。」と感じるものを書く。 
  4. 書いたものを発表する。

3年生の学習活動

  1. 仕事に関する資料を見て、興味のある仕事を選ぶ。
  2. 「見通しをもとう」、「たしかめよう」で単元の学習を見通す。 
  3.  選んだ仕事について、読む人のことを考えながらどんなことを調べるかを考え、ワークシートに書く。
  4. 考えたことを発表し合う。
 ※本授業では3年生に直接指導を多く入ることができるように2年生は一人学習、交流学習がある程度自分たちでできる単元を選んでいた。

【主な協議内容】 良かった点、助言等△

本学校では昨年度から授業を児童が自分たちで進めて行くことができるように指導している。今回も授業が始まったら自分たちで進められていた。
2年生は支援員の先生と会話しながら、たくさんの言葉を書いていた。 
3年生が興味をもった仕事について調べられるように、図書やインターネットを活用できる環境を整え ていた。

 △国語科の目標達成に向けて、以下の3点を意識して取り組んでいくと良い。
当該単元で育成を目指す資質・能力を明確に把握すること。
その資質・能力を育成するのにふさわしい言語活動を適切に設定すること。
・単元のゴールをイメージできるように単元の初めに言語活動のモデルを提示し、身につける力も把握させること。 
△2年生の言語活動例として「きせつをかんじる言葉カルタで遊ぼう」のような言語活動はどうだろう。教材は「夏がいっぱい」、単元目標は「夏を感じる言葉を選び、感じたことや思い出をカードに書くことができる。」である。季節を感じる言葉を学習しながらカルタを作成し、日常的に楽しみながら語彙を増やしていけるのではないだろうか。また年間を通した言語活動であり、子供たちが大好きなカルタ遊びによって学習意欲も高まるのではないだろうか。